■シロアリ ■ゴキブリ ■ネズミ ■ハチ ■ダニ ■鳥類 ■黒アリ ■クモ
シロアリによる被害
日本には約20種類のシロアリが生息していますが、主に建物に被害を与えるのはイエシロアリとヤマトシロアリの2種類です。
これらのシロアリは木材を好んで食べるため、放置しておくと建築物がボロボロになるだけではなく、地震や台風の際に建物倒壊の原因になります。また室内配線の食害により、断線や漏電、ひいては火災を招くこともあります。
イエシロアリ | ヤマトシロアリ | ||
羽アリ | 体長(羽長) | 6.5〜8.0mm(9.2〜12.5mm) | 4.5〜7.0mm(7.0〜7.4mm) |
体色(羽色) | 黄褐色(淡黄褐色) | 淡黒色(淡黒褐色) | |
群飛 | 6月〜7月の夕方から夜 | 4月中旬〜5月中旬の昼間、降雨後 | |
兵アリ | 体長 | 4.5〜6.5mm | 3.0〜6.0mm |
頭部の色・形 | 淡褐色・卵形 | 淡褐色・円筒形 | |
粘液 | 白色の粘液 | 出さない | |
被害 | 湿った木材のみでなく、家全体に侵食していく。 | 湿った木材を好み、 主に建物の下部材に被害を与える。雨もり時は屋根まで侵食し、被害を与える。 |
ゴキブリによる被害
ゴキブリは全国に広く分布する不快害虫の代表例です。増殖率が非常に高く、1匹でも見つけてしまったら、その後ろに20匹、30匹ものゴキブリが潜んでいると言われています。
ゴキブリが嫌われる原因は様々です。嫌悪感を抱かせる不衛生な見た目のほか、体表面や脚、排泄物を介して病原体を食品に混入させたり、炊飯器やFAXなどといった電気機器類に侵入し、故障や漏電、接触不良による火災事故を引き起こしたりします。
チャバネゴキブリ | クロゴキブリ | ワモンゴキブリ | |
体長 | 10〜20mm | 25〜35mm | 30〜48mm |
体色 | 黄褐色 | 黒褐色・茶褐色 | 淡褐色(胸部に黄褐色の輪紋) |
生息場所 | 厨房・レンジ・冷蔵庫周り | 木造の家屋・コンクリート造りのマンション等 | 熱帯種の為、暖房設備の整った場所に分布 |
食性 | 雑食 | 雑食 | 雑食 |
発生時期 | 一年中 | 一年中 | 一年中 |
ネズミによる被害
通常、ネズミは屋外の地面に巣穴を掘って生活していますが、街中のゴミ集積場や下水溝などにも巣を作ります。また、家ネズミの中で最も小さいハツカネズミは、10mm程度の隙間からでも侵入可能のため、建物の隙間のほか、家具の中に営巣している場合もあります。
排泄物によるサルモネラ症、レプトスピラ症などの伝染病、ダニの寄生による皮膚炎といった衛生的被害、電線や通信ケーブルをかじる経済的被害などを引き起こします。
ハツカネズミ | クマネズミ | ドブネズミ | |
体長 | 6〜9cm | 15〜23cm | 22〜26cm |
体色 | 黒色 | 茶褐色 | 灰白色 |
生息場所 | 物置、納屋、押入れの中、天井裏、台所、縁の下 | 天井裏、建物の壁内厨房等 | 床下、地下室、厨房等 |
ハチによる被害
近年、住宅地が丘陵地域にまで広がってきたことや、人家の周りの昆虫が多様で缶ジュースの残渣(ざんさ)などの餌も豊富なことから、人と接触する機会が増え、ハチによる刺傷事故も全国的に増加傾向にあります。
毒性が強いスズメバチに刺されると激しい痛みと腫れを引き起こし、多数刺されると、ショック死することもあります。また、ハチの中ではおとなしいとされるミツバチも、巣を刺激されると人を襲うので注意が必要です。
アシナガバチ![]() |
スズメバチ![]() |
ミツバチ![]() |
|
体長 | 21〜26mm | 17〜25mm | 12〜25mm |
巣 | お椀を伏せたような半円形 | マーブル模様のボール形 | 白いろう状で薄く平たい形が多い |
特徴 | 4〜11月に活動し、数十匹の集団を形成。 | 5〜11月に活動し、1000匹程度の集団を形成。 | 1年中活動し、数万匹の大集団を形成。 |
巣を作る場所 | 軒先、庭木 | 軒下、屋根裏、樹木 | 軒下、壁の間、屋根裏 |
ダニによる被害
布団やカーペット、畳の中に生息するダニ。刺されるとかゆみが生じ、皮膚に赤い斑点ができることもあります。さらに乾燥して粉末状になったダニの死がいやフンは、アレルギーや喘息を引き起こす最大の原因になります。
ダニは6月から9月のじめじめした高温多湿の時期に多く発生するので、室内の湿度を調整しながら、常に身のまわりを清潔にしておくことが大切です。
イエダニ | ツメダニ | コナヒョウダニ | ヤケヒョウダニ | |
特徴 | ネズミに寄生し人を吸血しかゆみを与える。 | 17〜25mm主に屋内で発生し、皮膚炎などの原因となる。 | 食品・畳等を餌にしている。 | 食べこぼし・人のフケ等を餌にして大量に増える。 |
被害 | 吸血された部分に発疹・かゆみが発生する。 | 吸血された部分に発疹・かゆみが発生する。 | 食品に大量発生する。 | アレルギー症を起こす。 |
鳥類による被害
日本全国に分布するハトの出す糞による被害は建築物の美観を損ねるだけでなく、金属類の腐食を促進させます。また、様々な病原体を保有しており、サルモネラ症、クリプトコッカス症、アスペルギルス症やアレルギーの原因となっています。
一方、カラスは農作物、漁獲物を食い荒らすだけでなく、生ゴミをあさり、町を汚す原因にもなっています。また、3月から7月にかけての繁殖期には巣の近くを通る人を襲う場合もあります。
カラス | ハト | |
被害 | 主に泣き声、糞の飛散 | 主に乾燥したフンが飛散 |
巣を作る場所 | 樹木、建物の高所 | 高架橋、建物の高所 |
黒アリによる被害
およそ262種類の黒アリが日本に生息しています。窓枠や壁の隙間から入ってくることが多いですが、小さなアリはどこからでも侵入してくる可能性があります。また、黒アリの一種イエヒメアリはひとつの集団に複数の女王をもち頻繁に分巣を繰り返し、家屋に侵入して壁の中やタンスの裏に巣を作る場合もあります。一般的に、黒アリは毒針を持っており、噛まれると強い痛みがあります。
イエヒメアリ | ルリアリ | |
体長 | 2〜3mm | 2〜3mm |
特徴 | 腹部後端のみ光沢 | 腹部に光沢 |
生息場所 | 人家 | 枯れ枝、石下 |
クモによる被害
わずかな例外を除き、ほぼ全てのクモは肉食性で、毒腺を持っています。実際、人に被害を及ぼす種類は限られていますが、地中や水中、空中など様々な場所に現れるだけではなく、中には家屋内を生活の場としているものや家屋近辺を生息場所とする有毒なクモもいます。
一般的に、クモに噛まれると激痛が走り、まれに発汗、発熱、吐き気などの症状も出ます。
中には、毒性が強くショック死する場合もあるので注意が必要です。
セアカゴケグモ | カバキコマチグモ | ||
メス | 体長 | 7〜10mm | 10〜15mm |
特徴 | 体全体は黒色で腹部背面に赤色の縦条 | 淡黄褐色で頭胸部は褐色 | |
オス | 体長 | 4〜5mm | 10〜15mm |
特徴 | 腹部背面は灰白色で中央に縁取りのある白い斑点 | 淡黄褐色で頭胸部は褐色 (オス・メス同じ) |
|
生息 | 駐車場、空き缶、あらゆるところ | 主にイネ科植物 |